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【Wevox リリースnote】 あるチームが半年間でカスタムサーベイをフルリニューアルした話

いつもWevoxをご利用いただきありがとうございます。先日、カスタムサーベイにおける回答リセット機能・回答開始/終了時の文面編集機能・通知文面画面の追加、また、質問設定画面・回答プレビュー機能のUI改善を行なったバージョンがリリースされました👏

本記事は、今回のリリース内容だけでなく、Wevoxプロダクトチーム内のあるチームがこの半年間でカスタムサーベイのフルリニューアルに取り組んできた物語になります。

そもそもカスタムサーベイとは

我々は、従業員の離職や生産性に関係があると言われているエンゲージメントを可視化することで、組織改善のサイクルを回しやすくするプロダクトWevoxを提供しています。

そしてWevoxでは、組織の状況を定量化する上で、エンゲージメントだけでなく企業様独自の質問を作成し、手間なく配信・集計できる「カスタムサーベイ」という仕組みも提供してより分析しやすくしています。

カスタムサーベイを使うことで、エンゲージメントの周辺情報やより具体的な深い内容など、ご利用企業の皆様が知りたい内容に即した質問を追加し、エンゲージメントサーベイとセットで配信・回答をすることもできます。

何が課題だったのか?

個人が活き活きとして、組織が良くなっていくには自分たちで改善していくこと(自走すること)が我々Wevoxでは重要だと考えています。

自走する為には、このカスタムサーベイを利用できる人を増やし、聞きたい質問を作れる状況を生み出す必要があります。

しかし、カスタムサーベイは初期リリース以降大きなアップデートができておらず、その状況にはほど遠い。そんな大きな課題がありました。

そこで、プロダクトチーム内のあるチームで、カスタムサーベイのフルリニューアルを行うことを決め、UIの拡張性を上げるための変更や質問の種類を増やすための土台作りといったコアとなる部分の改修からスタートしました。

質問タイプを拡充し柔軟性の高い質問設計を可能に

今回のリニューアル以前、質問タイプは「段階選択(旧スケール)」「複数行テキスト(旧自由回答)」の2種類しか選択できませんでした。

前述の通り、我々は、働き方が多様になり、一層見えづらくなった組織において、エンゲージメントだけでなく企業様独自で質問を作成して配信・集計し、組織の状況を分析しやすくすることも重要と考え、カスタムサーベイを提供して参りました。

しかしながら、上記2つの質問タイプのみでは汎用性が低く、なかなか意図したカスタムサーベイが作成できないというのが現状でした。

そのため、今回のリニューアルで、ご利用企業様がより柔軟に質問を設計し、意図した分析ができるよう、「単一選択」「複数選択」という質問タイプを増やしました。

カスタムサーベイをより作成しやすく

今回のリニューアルで、選択できる質問タイプを増やし、汎用性を持たせました。そのカスタムサーベイをより多くの方にご利用いただき、組織の状況の分析に役立てていただきたい。そのために、カスタムサーベイの作成をより簡単にできるよう、下記3点が可能になりました。

①作成した質問の見える化

これまでは、どんな質問が既に存在しているかを別画面で行ったり来たりして確認しながら質問の追加・編集を行っていましたが、一画面上でどんな質問が既に存在しているかを確認しながら、質問の追加・編集が行えるようになりました。

②スムーズな質問タイプの変更

誤った質問タイプを選択して質問を作成してしまった場合、質問を一度削除してから追加する手順となっておりましたが、質問の編集画面で質問タイプを変更することができるようになりました。

③質問の複製を可能に

似たような質問を都度都度一から作成するのではなく、複製して作成することができるようになりました。

結果分析をしやすく

既存で提供させていただいている「比較」画面ですが、今回のリニューアルで追加した質問タイプの結果についても比較できるようになっております。

カスタムサーベイでは、結果分析用の画面として「比較」画面と「分析」画面を提供しております。

この2つの画面の利用方法としては、

①まず比較画面を開き、部署・役職・入社年・年代・雇用区分・性別・新卒/中途 等、様々な属性における結果を比較し、どんな属性でどんな違いが出ているのかを把握する

②次に、分析画面において詳細な分析を行う

といった手順でご利用いただきたいと考えております。

特に分析画面においては、各質問の結果を、円グラフ、棒グラフ、表で表示したり、過去に実施した結果の推移が確認できたりと、分析するために様々な機能をご用意しております。

様々な角度から分析するために、是非この2つの分析方法を積極的にご活用いただければ幸いです。

サーバー負荷への対応

機能の実装以上に骨を折ったのは、負荷に関する検証及び対応でした。

こういった類の機能では、予めサーバー側で集計済みの結果をリクエストに応じて返す形に実装するのが定石ですが、カスタムサーベイの結果表示に際しては、一部キャッシュを利用しつつも基本的にアクセス毎に回答データをリアルタイムで集計しています。

これによって配信中・回答期間中のサーベイにおいても常に最新の回答状況を表示することが可能になっています。

その一方で、サーバー側には大きな負荷が掛かります。回答者数が数十・数百人といった規模であればパフォーマンスに大きな問題は発生しませんが、数千・数万人といった規模になるとシステム及びデータベースに非常に大きな負荷が掛かり、機能実装終了時点ではタイムアウトを免れない状態でした。

そこで現在最大規模(約4万人)でご利用頂いているユーザー様を想定し、複数パターンの質問及び回答を用意、システムの各所を一つ一つ検証し改修して回る旅が始まりました。

システムの随所にデバッガーを当てボトルネックを洗い出し、負荷の掛かるロジックの改修からクエリの差し替え、そもそものデータ設計の見直しまで、徹底したパフォーマンスチューニングを施しました。

チームのメンバーだけでは知見の及ばない領域に関しては、当該分野に精通している他チームのエンジニアにも協力を要請し、Wevoxチーム一体となって対応にあたりました。

そして何よりこの規模の質問・回答の用意には非常に大きな労力を要し、文字通り汗と涙の滲んだ2ヶ月間になりました。

より多くの方にご利用いただくための権限管理機能

ここまで、機能説明や進化の過程を記載してきたカスタムサーベイですが、
今までのWevoxだと、限られたユーザーにしかこのカスタムサーベイを届けられていない、という課題がありました。

具体的には、一部の権限を持っているユーザーしかカスタムサーベイの分析ができず、「管理職」など組織に多く存在するユーザーの方々にご利用いただけない状態でした。

そこで、この「管理職」の方々にも広くご利用いただくための機能・プロジェクトが、「RBAC」になります。

「RBAC」とは、Role-Based Access Control の略で、この概念自体については別記事に譲りますが、権限管理を柔軟に設定できるアクセス制御の手法となります。

このRBACという仕組み・土台自体は、既にWevox内には存在する中で、その中に「カスタムサーベイ閲覧」というアクションの制御を追加するというプロジェクトとなります。

また、直近でユーザーのニーズの高い「カスタムサーベイ閲覧」というアクションの制御は達成しつつ、今後その他のアクション(例えば、グループの編集、従業員の追加など)の制御が追加されたとしても、対応できるような設計が求められます。

それらを踏まえた、RBACの機能リリースを4/27(水)に行いました。

また、この機能自体については、今後の展開も踏まえたリッチな機能となっているため、直近の特定のユースケースについて、わかりやすくユーザーに伝えるためにFAQ記事という形での補足も行いました。

この機能リリースを以って、当初の課題感であった、「管理職」の方々がカスタムサーベイは閲覧できない、という課題は解決されました。

ただ、まだその仕組みができただけ、という解釈もできるので、今後ユーザーからのフィードバックを受けながら、更に使いやすく、Wevoxの価値を更に上げ得る機能に進化できるよう、機能のブラッシュアップを続けていきたいと思います。

足りない機能とさらに使いやすくのリョウドリ

当初挙げられていた、UIの拡張性を上げるための変更や質問の種類を増やすための土台作りといったコアとなる部分、サーバー負荷への対応、そして、限られたユーザーにしかこのカスタムサーベイを届けられていないといった課題は、ここまでで大きく改善に向かっていました。

しかし、まだまだ不足している機能やカスタムサーベイをより使いやすくするための改善案が挙がっていたので、フルリニューアル最後の取り組みとして、足りない機能とさらに使いやすくのリョウドリを目指し、物語は続くことになります。

回答のやり直し

まず足りなかった機能としては、回答のやり直し機能が最初に挙がりました。エンゲージメントサーベイでは回答のやり直しが可能だったため、それに合わせる形で、回答がやり直せないことでお困りになられていた多くの回答者のお悩みを解消いたしました。

通知や回答画面の文面のカスタマイズ

次に足りなかったものとして、サーベイの配信時やリマインド時の通知文面を各言語で編集できる通知のカスタマイズ機能と、回答開始時および終了時の文面のカスタマイズ機能を追加いたしました。

通知のカスタマイズ機能では、フォーマル文面(初期設定)およびカジュアル文面(新規で追加)をご用意しており、これらをベースにサーベイの内容や目的に応じた文面を設定できるようになりました。

回答開始時および終了時の文面のカスタマイズ機能では、これまでの定型文とは異なり、サーベイの趣旨や伝えたいメッセージを明確化することにより、メッセージ性の強いオリジナリティをもったサーベイを発信できるようになりました。

QRコードによるプレビュー機能

足りなかった機能の追加と並行しながら、カスタムサーベイをより使いやすくするための機能として「QRコードによるプレビュー機能」の追加も進めました。

Wevoxのサーベイはスマホから回答するユーザーも多いことから、作成したてのサーベイの内容を、QRコードを読み取りスマホやタブレットから手軽にチェックできる機能を追加しました。

質問作成・編集のプレビュー表示

次に、より使いやすくするための機能として、質問の設定フォーム上で実際の回答画面を見ながら質問の編集ができるようになりました。これにより質問設定後に毎回プレビューし内容をチェックする手間が省け、一つ一つの質問設定に時間をかけられることで、より効率的且つ高精度なサーベイを作成いただけます。

まとめ

ここまでの物語にあった通り、カスタムサーベイはチーム内での試行錯誤を経てフルリニューアルに至りました👏

大きな改善はここでひと段落。たった半年でエンゲージメントサーベイと並ぶWevoxを代表する機能になったのではないでしょうか…!

今後も、ご利用企業の皆様からのフィードバックをいただきながらじっくりアップデートしていきたいと考えておりますので、機能面や使いやすさなど、何か気になることがございましたら、お気軽にお伝えいただければ幸いです。

まだまだ仕込み中で企画段階の機能もありますので乞うご期待を!